この記事では、プロ指導者として幼児から大人までサッカー指導をしているぼくが実際に手にとり読んだサッカー指導者・コーチのための厳選おススメ本を紹介しています。
20年以上、育成年代のサッカー指導をしているプロコーチや日本を代表する一流の指導者から直接学んでいるとある共通点があることがわかりました。
それは、
- 教えすぎないこと
- 教えないこと
でした。
そうすることで子どもは、自主性を持って意欲的に、創造性あふれるプレーヤーになっていくことを実感しています。
そのために、指導者とはどうあるべきか?子どもたちの指導をしながらいつも考えさせられています。
今回は、指導者とはどうあるべきかを深く考え、指導の本質を学べる本ばかりを厳選しています。
学ぶことを辞めたら、教えることを辞めなければいけない
この言葉どおり、指導者は日々、学び続けなければいけません。
えらそうに言っているぼくも、指導者の端くれですが、目の前にいる子どもたちの眠っている才能をいかに伸ばしていくかを日々指導現場で考えています。
毎日、振り返りながらより良い指導ができるように磨き続けています。
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指導者とはどうあるべきか?と悩んでいたり、子ども達の未来を本気で考えたり、サッカー指導に真面目で真っすぐなあなたに1冊でも心にとまる本があれば幸いです。
サッカーはもちろんこれからの日本の未来を担う子ども達のことを一緒に考えていただけたら嬉しいです。
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※電子書籍に対応している本のみ読めます。
サッカー指導者・コーチへおすすめ本の紹介
指導者はどうあるべきか?を学ぶ
指導者の言葉や行動は、よくもわるくも、子どもやまわりにいる人へ伝わっていく。
指導者はどうあるべきかをサッカー指導の教科書として1冊ずつ、ぼくが読んだ本を紹介していきます。
サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法
勝って喜んでいると「相手のことを考えなさい」という先生がいました。では、勝った子の嬉しい気持ちはどこで表現したらいいのですか?喜んだあとに、対戦相手をねぎらい「今日はありがとう」と言えばいいだけのことだと私は思います。
大人が勝つことを目的にしてはいけませんが、子どもから勝ち負けを意識することは大切です。
勝つ喜び、負ける悔しさをたくさん味わうからこそ、子どもはぐんぐん成長していきます。
クラブ全体が勝利至上主義の場合、ひとりのコーチが「全員平等参加」をうち出すのはなかなか難しいでしょう。地域によっては少子化とともに入団選手、もっと言えば能力の高い子どもの奪い合いになっているところもあるようです。
「強くしないとクラブがつぶれてしまう」と存続の危機を訴える方もいます。
私は日本のサッカーを支える少年チームの課題はそこだと思います。「チームを強くしないとダメ」と思い込んでいる部分です。これは、中学校、高校、Jリーグクラブのジュニアユースやユースチームにも通じる問題だと考えています。
日本サッカーの選手の育成を一本の木だと考えましょう。子どもが成長とともに所属するチームがすべてその都度の結果を残すことだけを考えていると、木の根っこは太い幹につながりません。全国大会に優勝したチームから必ず日本代表が出ているでしょうか?一流選手が輩出されているでしょうか?本来なら大木の栄養になるべき子どもたちが、根っこのところで枯れたり傷んだりしているような気がしてなりません。
大学生のころに池上さんの本にはじめて出逢ってから、ぼくの指導の方向をしめしてくれる本になっています。
- 肯定する
- 上達する
- 楽しませる
- 気づかせる
- 考えさせる
- 進化する
- 夢を持たせる
- 余裕を持たせる
- 自立させる
- 和をつくる
- 問いかける
11の魔法の言葉から、実際にあったエピソードをまじえながらサッカーをとおして子どもたちを成長させるヒントがいくつもあります。
何回読んでも、いつもハッとさせられ、大人に気づきをくれる。指導者として学び続けているあなたも気づきをもらえるはずです。
サッカー上達の科学
根本的な育成システムの違いによって、スペインと日本では、指導者と子供たちの意識が大きく異なります。日常的にギリギリの戦いに身を置くスペインでは「現実的な立ち位置」がはっきりしているため、指導者も子供たちも、「必然的な成長曲線」を描くことを期待しています。
繰り返しますが、日本まったくの逆です。町クラブの多くの指導者も「プロ選手を育てたい!」と言う情熱をもちながら指導にあたっていますし、子供たちも「県大会に出たい!」「全国大会に出たい!」「いつかプロになりたい!」と大きな夢を抱いています。
振り返れば、子供の頃の私自身もそうでした。私が所属していた中学校のサッカー部は千葉県船橋市でベスト8になるのが精いっぱいのチームでしたが、「市で優勝したい!」「関東大会に出場したい!」と力強く夢を語っていた記憶があります。
そうした風潮はおそらく、数年経過した現在も変わっていません。私が指導していたチームでも、チームのレギュラーになれないような子が「県のトレセンに選ばれたい」「プロになりたい」と熱く語ります。そうした言葉からは、彼のサッカーに対する気持ちの強さを表していると感じられ、指導者として素直に後押ししたくなります。
真剣にそう語ることができる日本人のメンタリティーを、上達のたのトレーニングに活かすことができるはずだと考えています。
本書の中で出てくる
「誰もがプロ選手を目指す日本人」
「現実を生きるスペイン人」
の話も非常に面白かったです。
育成のシステムの違いや教育、文化の違いがサッカーに及ぼす影響力はすごいものがあります。
スペインが良くて、日本が悪いと言うわけではなく、スペインのサッカー文化を学ぶことで指導に活かせるところがたくさんあると感じました。
スペインのサッカー文化を自分なりにかみくだいて、取り込むことで指導に深みがましていくと確信できる本です。
テクニックはあるが、サッカーが下手な日本人
テクニックはあるが、サッカーが下手な日本人 日本はどうして世界で勝てないのか?
ストリートサッカーからバルセロナのカンテラ入団
10歳の少年はストリートサッカーのみで技術・体力・戦術の全てをバランスよく習得していたわけです。
やはり、才能のある選手は「育てる」のではなく、どんな環境であっても勝手に「育つ」ものであり、それを「見つけてくる」のが指導者の大きな任務のひとつかもしれません。
日本の環境でストリートサッカーをしている子は、めったにいないかもしれません。
でも、どこのチームにも所属せず10歳でいきなりバルセロナのカンテラに入団し、たった2週間でチームのエースとしてバルセロナでプレーするようになった少年のように、子どもは自分自身で成長する力を持っていることを証明している例だと思います。
教えすぎない指導こそが、子どもが成長する一番の方法のように感じます。
ジュニアサッカー指導の手順と練習法
「育成強国」ドイツが提案する ジュニアサッカー指導の手順と練習法
育成コンセプトを定義することは、すべてのコーチにとって、練習、試合、教育面での指導に有益なものとなる。育成をする上での大切なのは「選手たちがサッカーの試合の喜びを体験すること」あるいは「ステップ・バイ・ステップで学ぶ過程」である。
育成ステップーモデル
- トッププレーヤーベストパフォーマンスを安定させる 30歳以上
- トッププレーヤー ベストパフォーマンスに仕上げる 21歳~29歳
- 将来を期待されたプレーヤー ベストパフォーマンスに磨き上げる 17歳~20歳
- U-15~U-18 専門的に追求する 15歳~18歳
- U-11~U-14 学ぶ 11歳~14歳
- U-7~U10 遊ぶ 7歳~10歳
- バンビーノと年少者 U-6 働く 3歳~6歳
言葉として30歳以上まで育成コンセプトを定義していることに驚きました。
日本では育成というと20歳前後までというイメージがありますが、サッカー大国のドイツは30歳までをサッカー選手として育成と考えいることに日本との差を感じてしまいます。
しかし、サッカー人口が世界一のドイツから学ぶことで、日本サッカーの育成を担うあなたにとって確かな方向を示してくれます。
キッズからU10までの年代に必要な練習の方法やメニューの作り方をしることはもちろん、メニューの組み方や計画など練習をするうえでの原理原則が書かれているのはこの本が初めてでした。
特にキッズ年代からの練習方にはドイツならではのおもしろいメニューが紹介されています。
サッカー人口世界一のドイツから学ばない手はありません。あなたの指導の幅がぐんと広がるはずです。
子どものやる気を引き出す7つのしつもん
スペインのカタルーニャ州の著名なサッカーコーチたちが日本で開催した講習会に参加した時のことです。
彼らが、日本の子どもたちを指導し、その練習を見学するというスタイルでおこなわれた講習会でとても印象に残ることがありました。
あるプレーで、一人のコーチが練習を止めました。日本でも、トレーニングの中で気になったことがあったら練習を止めて指導をおこなうゲームフリーズというやり方が浸透してきました。
「どんなことを伝えるんだろう?」
スペインの指導を勉強したいと思っていた私は、そのコーチの表情や言葉を待ちました。
「Muy bien!ムイビエン(素晴らしい)」
コーチの第一声は、鋭い指摘や改善方法を教えてもらえる思っていた私にしてみればものすごく意外な言葉でした。サッカー大国として知られるスペインからやってきたコーチが、わざわざ練習を止めて子どもたちを褒めているのです。
いまだに、少年サッカーの現場では、指導者のイメージや価値観だけで指導をしている人は少なくない。
この前も試合の会場で、負けているチームの選手が、ボールを取られてしまうと、そのチームの監督から
「なんでボールを取られているんだ?!?!?!よくみろ!!!」
「負けたらグランドの外、走らせるぞ!!!」
と大きなグランドに響く声で叫んでいました。
サッカーは、ミスをするもの。プロの選手だってミスをするし、ボールは取られてしまう。
なんで~というと、ミスをした原因を考えるようになってしまう。
でも、良い指導者はどうすればボールを取られないようになるかな?
しつもんをしている。
- なんで~(Why)は原因を探す
- どうしたら(How)は解決策をさがす
同じことを言っているように聞こえますが、進んでいく方向は解決策をみつけていったほうが、やっていて楽しい。
しつもんから選手のやる気を引き出すための、事例を紹介されていてすぐに指導に活かすことができます。
勉強熱心なあなたに手にとってもらいたい1冊です。
「個」を活かすチームビルディング
『個』を生かすチームビルディング チームスポーツの組織力を100倍高める勝利のメソッド
いい選手を構成する要素は大きく2つに分かれると考えています。私はそれを「直接的スキル」と「間接的スキル」と呼んでいます。
直接的スキルとは、スポーツをするうえで競技に直結してくる「技術」「体力」「戦術」などを指します。特徴としては、競技に特化したスキルであり、一般社会では役立ちにくい点が挙げられます。一方で、間接的スキルとは、「コミュニケーション能力」「協調性」などを含めた集団活動スキルや「課題解決力」などを指します。こちらは一般社会でも役立つという特徴があるのです。いい選手とはいうのは、まさに両方のスキルが長けている選手なのです。
サッカーではよく、個かチームかという議論をよく耳にします。
個が活きるからチームができるのではなく、チームがいきるための仕掛けを指導者がトレーニングメニューと言葉かけをすることで個が活きてくることを伝えてくれています。
個を活かすチームビルディングでは、個を活かすためにどういうチームづくりが大切になってくるのかをシンプルで分かりやすい解説でトレー二ングメニューや理論をしることができます。
チームの雰囲気をよくしたい、チームに活気をだしたい、というあなたにこの本書をうけとってほしいです。
世界一わかりやすいフットサルの授業
日本では、子どもから大人まで、たくさんの人がフットサルを楽しんでいる。しかし、フットサルプレーヤ―の中には「やり方がわからない」「なかなか上達しない」という悩みを持っている人が意外に多い。
フットサルにはコツがある。そのちょっとしたコツを知ることによって見違えるようにうまくなることも夢ではない。
中略
一般プレーヤーから上級プレーヤーまでタメになる内容になっている。
この本を読んだからと言って、突然テクニックがレベルアップするかというと、そうではない。しかし、この本を読めば、ゴールが決められるようになる。ボールに触れるようになる。つまり、フットサルがうまくなる。
フットサルが日本でもよく知られるようになってきていますが、まだまだ、育成年代でフットサルの戦術や技術をとりいれている指導者は多くはないです。
フットサルをサッカーとは、ちがうスポーツとして知り、理解することでサッカーに活かせることが本書にはたくさんつまっています。
フットサルは、サッカーにくらべてスペースが狭いため、技術が身につくというメリットはほんの一部部分です。
フットサルは、考えるスピード、ゴールを奪うまでの効果的なボールの回しかた、ボールを持っていない時の動き方、ドリブルやパスをするタイミングなど、サッカーに活かせることがたくさんつまっています。
ぼくも、日本とイタリアのトップリーグでプレーし、育成年代でのフットサルがどのくらいメリットがあるのかは、肌で感じてきました。
フットサル初級者むけですが、フットサルを知りたい、フットサルを学んでサッカーに活かしたいというあなたに、本書はピッタリです。
革命前夜 風間八宏
教えすぎてはいけない
「最近、日本サッカー界でも「ヨーロッパのやり方をコピーしてもうまくいかない」ことに気づく人は増えてきたでしょう。ヨーロッパの子供たちは自由にやるのが当たり前で、逆に規制を課されるのを苦手にしています。だから練習で、規制の中の自由を覚えさせるんです。では、それを日本がコピーしたらどうなるか?規制にがんじがらめにのチームになってしまうでしょう。もともとは日本人に規律があるからです。にもかかわらず、日本サッカー界は、子供たちに教えすぎる傾向があるように思います。いちいち細かく教えてしまうと、結局天才じゃなく、教えた人の能力の中のサッカーになってしまいますよね。「これをしなさい」「これをしちゃいけない」と言うのは近道だけど、子供が自分で道を作るチャンスを奪ってしまう。指導者が自分の中で結論を求めちゃうと、天才は生まれづらいでしょう。子供の発想を、大人が消すことは簡単。情報を入れすぎて、頭のキャパシティーを縮めてはいけません」
現名古屋グランパスの監督である風間八宏さんの革命前夜。
川崎フロンターレの監督就任前と直後のことが書かれています。川崎フロンターレに初タイトルをもたらす土台をつくった人でもあります。
元サッカー選手の中田英寿さんがイタリアのペルージャでプレーしているときにはじまった、セリエAダイジェストやフジテレビのすぽると!のマンデーフットボールの解説をしているのを中学生のときからよく聞いていました。
そのころから、風間さんの言うことはすごく分かりやすくてオモシロかったのを覚えています。
サッカーの本質にせまりながら、常に日本サッカーの常識をこわしていく風間さんの哲学にふれることで、サッカーを深いところから理解し、あなたの指導者としての深みをましてくれることは間違いありません。
興国高校式Jリーガー育成メソッド
小学生時代 、全国大会に出ていない選手がプロになる日々接する中学生や保護者の方に 、よくこんな質問をされます 。
「どうすればプロに行けますか ? 」
「どんな選手がプロになれますか ? 」
答えはいくつかありますが 、ひとつは 「小学生時代に全国大会に出ていないこと 」です 。
これは極端な言い方ですが 、ジュニア年代から大会での勝利にこだわり 、育成ではない 、勝つためのサッカ ーをしてこなかった選手が 、長い目で見るとプロになっています 。
全日本少年サッカ ー大会で優勝したチ ームの選手が 、何人プロになっていますか ?ロシア W杯の日本代表選手で 、小学生時代に全国大会で優勝した経験のある選手が何人いますか ?ジュニア時代に有名だったのは原口元気選手 (ハノ ーファ ー )や宇佐美貴史選手 (デュッセルドルフ )ぐらいで 、それ以外の選手は高校年代で力をつけて 、全国レベルになった選手たちです 。小学生時代からエリ ートとして勝ち続けるのは 、とても難しいことです 。
テニスやゴルフ 、相撲などの個人スポ ーツであれば 、自分の才能と努力が結果に反映されやすいので 、ジュニアからエリ ート街道を進み 、プロになる選手はたくさんいます 。でもサッカ ーはチ ームスポ ーツで 、一人がいくら上手くても負けてしまうことがあります 。あのメッシですら 、アルゼンチン代表で苦労しているぐらいですから 。
僕は小学生 、中学生年代でエリ ートである必要はないと思っています 。
サッカー指導者なら知らない人はいないはずです。
高校年代で勝利よりも育成を重視し、実際にプロ選手をここ10年で13名のJリーガーを育成しています。
日本サッカー界に必要な育成のヒントがふんだんに盛り込まれた素晴らしい本です。読んでいると思わず唸ってしまう箇所がいくつもありました。
手にとって読む価値は十分にあります。
また、興国式サッカーテクニカルメソッドとしてDVDが出ています。
日本国内にとどまらず世界を意識し試合で使いこなせるスキルトレーニングは必見です。コチラの記事で詳しく紹介しているのでご覧になってください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
指導者とはどうあるべきか?今回、紹介した本の中に今のあなたの心にとまる1冊はありましたか。
すでに日本サッカーの土台をつくり、日本サッカーに大きな大きな力を与えている、偉大な指導者の方々の言葉はどれも心に刻み込まれる貴重な言葉になったと思います。
これからも、本をとおして偉大な指導者から学び続けていきたいと思います。
1冊でも手にとり偉大な指導者からの言葉をあなたの指導力に変えてもらえたら嬉しいです。
最後まで目をとおしていただきありがとうございました。
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