池上正氏の著書を知りたい人向けの記事です。
ぼくが池上正氏を知ったのは大学3年生の12月でした。
サッカーの指導者養成講座を受けている時に大学の図書館で目に留まった本がきっかけでした。
サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法というタイトルに何かを感じ手に取りました。
図書館で借りればよかったのですがずっと手元に置いておきたいとその場ですぐに購入したのを今でも覚えています。
そんな池上正氏の指導の考え方に感銘を受け、現在プロの指導者として子どもたちと日々ふれあっているぼくが著書の紹介をしていきたいと思います。
この記事を読んでいるあなたも池上正氏の本を読むことで日々の子どもたちのサッカー指導のときに違った視点が持てるはずです。
実際に著書を読んで実践して感じたこともこの記事で紹介しているので参考にしていただけたら幸いです。
池上氏の著書を読むメリット
- サッカー指導における世界基準の考え方を知れる
- 指導はトレーニングプログラムはもちろん子どもの関わり方を学べる
サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法
自由な発想を生むブラジルので手つなぎサッカー
ブラジルで手つなぎサッカーを見ました。子供たちが2人で手をつないでドリブルしたりゲームしたりする。私はそんな風景を目にしました。一昨年Jリーグの海外研修でブラジルに飛びました。
クラブの下部組織の少年チームの練習を見学に行ったのですが子供が2人組でペアになって手をつなぎながらドリブルをしているのです。そのうちミニゲームが始まりましたが、それも手をつないで2人が数組で1チームになって対戦していました。ブラジルの子たちは2人が1人の人間のように動いていました。
ボールコントロールも実に見事です。2人でうまく協力し合うと1人でやるよりもボールを取られない。キープできるのです。
日本人の子たちはブラジルの子たちと比べると仲間との関わり方があまり上手でない印象があります。
仲間と息を合わせたりするのが苦手。指導中になんかいも見ることがあります。
その原因として人と人の距離が遠いことにあると思います。
物理的な距離ではなく心理的な距離です。心と心が繋がっているような感じです。
ブラジル人は挨拶するときに必ず握手やハイタッチ、はぐをします。毎日の生活習慣のなかに相手と息を合わせるという文化が根づいているのです。
だからこそ、日本の子たちも最初はうまくいかなくても意図的に仲間を意識するような遊びをいれるのが大切だと思います。
紹介したのはほんの一部です。本のなかには指導に役だつ視点や考え方がもりだくさん。一押しです。
サッカーで子どもがみるみる変わる7つの目標
「池上コーチパスちょうだいよ」その子は私に文句を言います。
「いやだよ。君にパスしても返ってこないもん。なので私は味方の下級生にパスを回します。
「なんでだよ!パスしてよ!」
その子のイライラが頂点に出したところで私はゴール前に走り込んだ彼にパスをします。フリーなので難なくゴールです。
「やったー」
喜んでいる彼に私はいいます。
「そうでしょ。嬉しいでしょ。見方からパスをもらえてゴールがゴールできたら今みたいに嬉しいよね。」
それがチームプレイ。
中に入って一緒にやるまで「おい1人でやるなよ」なんて言いません。
言葉ではなく体と心でチームプレイを実感できる仕掛けをするのです。
2冊目の著書もやはり子どもとの関わり方のエピソードが本のなかで紹介されています。
トレーニングのプログラムが大事なのはもちろんなんですが、一番大事なのは子どもとどう関わるかです。
上から目線の怒なるようなアプローチは論外ですがどう関われば良いのかという気づきやヒントを教えてくれる著書です。
ぼくも何度も読みかえし指導の参考にしています。
サッカーで子ども力をひきだすオトナの10のおきて
「ヨーロッパの選手はコーチが右だと言ったら知らん顔して左へ行くよ。でも日本人はみんな右へ行く。日本人の従順さはオシムさんにとって不可解であるとともに残念に感じられたようでした。
海外で子育てをした方の話を思い出します。
「欧米の親は子供がみんなと違うことをやるやりたいと言われると安心します。でも日本の親は不安になるみんなと同じことを選択すれば安心するのです。」
サッカーはみんなが同じことをしていては勝てませんし、強くもなりません。
サッカーは似たようなことは起こりますが、全く同じことが起こることはありません。
試合中はずっと変化し、事前にこれをやろうと作戦を立てていても思い通りになることもありません。
なのでそんなときこそ自ら考えて行動し、決断しなければいけないのです。
そんな子たちが育つように指導者はたらきかけないといけません。
「池上さんの本を読んで驚きました」とにかく叱って厳しくしてきたけれど子どもたちは全く変わらない。進歩しない。そのことで悩んでいたら私の本と出会った。
ましてや頭ごなしに怒ってもなんの成長にも繋がらないし、ちっとも楽しくありません。
さいごに
サッカー指導をするうえでぼくが一番大切にしていることは指導者であるぼく自身が子どもと一緒になって楽しんでいるかということです。
楽しむといってもふざけるとは違います。真剣に楽しむのです。夢中になって楽しむ。そんな感覚です。
サッカーが一番うまくなる状態は楽しんでいるときです。
その楽しさをいかに多くしていけるかが指導のカギだと強く感じています。