スポーツのコーチとして大切な3つの能力。スポーツ運動学から学んだ指導力の視点

考えてる人
スポーツのコーチとして大切な能力ってなに?スポーツ運動学の視点から知りたいなあ

こういった疑問におこたえします。

日本語での運動学はスポーツの総称と医療面でのスポーツ科学・スポーツ生理学を称する2つがあります。この記事ではスポーツ指導時に言われる運動学について解説しています。以後スポーツ運動学と表記します。

 この記事の内容

  • スポーツ指導者
  • スポーツ選手
  • 体育教師

を養成するスポーツ大学の講義で学んだスポーツ運動学を備忘録として記事にしています。

 この記事を書いている人

  • 現役ビーチサッカー選手
  • プロの運動あそび指導者
  • プロのサッカーコーチ

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スポーツ指導をしていると必ずといっていいほど技術指導が必要な場面が出てきます。

技術指導は、指導される側が言葉によって体を通して、できなかったことができるようになるためのものです。

その技術指導がそのまま指導力に直結するといってもおおげさではありません。

指導力は専門の競技の技術指導はもちろん、スポーツ運動学という運動の仕組みや成り立ちを学んでおくと指導に深みをが増していくことを現場で指導しながら感じています。

部屋の整理をしていたら大学時代に研究した運動学のレポートを発見したことをきっかけに、当時学んだスポーツ運動学を5年ぶりに見直すことにしました。

当時とは違った視点で見ることができるのでとても面白かったです。

というわけで、ぼくの現在の活動とあなたのスポーツや運動、指導と照らし合わせて運動学について一緒に考えていきましょう。

目次

この記事を読むとどうなるのか?

  • スポーツコーチに必要な能力をスポーツ運動学の視点から学べる
  • スポーツ指導のときに選手に対してどういう言葉かけを意識すれば良いか学べる
  • そもそもスポーツ指導に大切なスポーツ運動学ってなに?を知れる。

競技者と指導者としての視点

6歳からともだちの誘いでサッカーをはじめ大学までの約16年間続けた。卒業後はフットサルを2年間、大学4年間を合わせて6年間フットサルを競技として続けた。そして、ビーチサッカーは今年で8年目になる。

現役選手としてビーチサッカー選手の活動をしながら、地元の磐田市を中心にこどもたちにフットサルやビーチサッカーのコーチ活動を行なっているが運動学は指導者、コーチとして指導の場で生かせることばかりだ。

特に以下の3つはコーチとして、とても重要なな能力だと改めて感じる。

  • 運動感覚(動感)能力
  • 身体知
  • 整理棚

多少、修正した部分もあるが自分の学びを深めるためにまとめてみた。参考になれば幸いだ。

指導で重要な3要素

運動感覚(動感)能力

一つ目の運動感覚能力は自分が運動するときに感じる能力であるが、これには運動を観る能力も含まれている。自分がやった運動の動きを観ると、自分の中で動きをイメージしたり、分析したりすることがある。観ている映像に体が反応し、観ただけで、どのような動きが必要になるのかを感じ取ってしまう「能力」を伸ばせば「指導力」につなげることができる。この能力をつけるには現役選手として、様々な動きの練習をして経験を積む必要がある。選手の経験や能力を指導に生かせるようになる。保健体育の教員をしていたときも出来ない子をいかに分かりやすく動きを手本で伝えるか、言葉で伝えるかを試行錯誤した。様々な種目を体験し、運動感覚能力を養い、伸ばしていけば指導力につながる。しかし、自分がやったことも、聞いたこともない運動は技の仕組みや構造を感じることが難しいため、しっかりと様々な種目を経験しておかなければいけない。

例えば、学校のクラスでスポーツや体育で先生のお手本をみただけですぐに技を習得してしまう子がいたと思う。

初めての動きでも手本を見ただけですぐに出来てしまう子は運動感覚能力が高いと言える。

なぜ、それが可能かという成長の過程で様々な運動体験や感覚をカラダが知っているから。運動神経が良い悪いではなく、いかに幼少期に運動体験と感覚をカラダが知っているかということ。

身体知

二つ目の身体知とは「感じわける」「動きわける」能力が高いこと。見て字のごとく体を知るということ。ここでは「生のカラダで覚える」表現する。感じて動き、動いて感じるカラダを感覚だけでなく、仕組みや構造を言葉や絵で分かりやすく伝えられるのも身体知となる。例えば、「逆立ちはどうやって止まるのか?」「つるつるする所や氷の上を歩く時、どんな歩き方をするのか?」などの運動を考えながら訓練することにより、偶然ではない「リカバリー能力」がつく。そして、身体知となる。指導者として運動をただカラダで覚えるのではなく、感じわけ、動きわける能力を身につけておき、指導に生かさなければならない。

体操の内村航平選手が小さいころから自分の体操の動きを絵にしてノートに描いていたが、動きを絵にできるということは動きを一つ一つの構造に分けて分析できる能力が高く、行った運動をカラダで感じられていることが分かる。

自分の運動構造を理解できている選手は指導者としてもすぐれた能力を発揮することができる。

整理棚

三つ目の整理棚とは、スポーツの種目を越えて似たような運動現象を集めグループ化することである。運動の構造がわかり「何かに似ている」と感じ、他の運動と再編すると整理棚が増えていく。運動は、一過性・一回性の原理、発生の原理により、1つのかたちを留めないため、やるたびに変化していく。整理棚は一度できると増えていくので、棚同士の関係が変化していき、また新たな整理棚ができていく。これは、一つ目に述べた運動感覚能力と同じように、いろいろな種目の運動をやっておくことによって、運動の構造がわかり、似ている運動を感じやすくなる。

例えば、フットサルがバスケットボールに似ていたり、フットサルがハンドボールに似ていたり、違うスポーツでも運動の構造や競技の特性が似ていたりすればそれは整理棚として整理することができる。

サッカーがフットサル化してきていることも同じフットボール競技として同じことがいえる。

もちろん、スポーツの競技や種目という大きな枠組みではなく、ひとつひとつの動きにも似た運動がある。

例えば、野球のバットを振ることと、臼の中の餅をつく動きは運動としては似た動きになる。

両手で握って振る。細かくいってしまうと違うが棒状のものを握って振るという動きは運動の構造を感じる大切な要素になる。

さいごに

運動学で学んだ運動感覚能力・身体知・整理棚の3つはの指導者、コーチとして指導をするときにとても役に立つことばかりだった。この3つに共通することは様々なスポーツや運動を行ったり、聞いたり、観たりすることによって運動感覚能力・身体知・整理棚の理解や能力の向上につながり指導力になる。ビーチサッカーやフットサルでは、選手の成長をサポートするときに言葉の使い方を考えたり、技術面ではどうしたらうまくいくのかを言葉と動きで伝えることができる指導者になればわかりやすい指導ができる。また、運動ができない子をどうやってできるようにするのか、道具の工夫や運動の構造がわかる言葉を使うことが必要だ。運動学概論で学んだことを指導者のなったときに生かせれるようにいろいろなスポーツや運動を経験して、能力の向上をしていきたい。

大学時代の学びが今にも活きているのはとても感慨深いものになりました。

  • 運動感覚(動感)能力
  • 身体知
  • 整理棚

この3つを知っておくことでプレーヤーとしてもコーチとしても自分の運動構造を分析でき、パフォーマンスアップ・指導力向上につなげることができています。

数年前の学びを改めて見直すことでプレーヤーとしてコーチとしてさらに磨きをかけられると感じました。

ブログを読んでくださったあなたはいかがだったでしょうか?

スポーツ運動学について探めてもらえたでしょうか?

もっと深く学びたいという人はコチラがおススメです。

教師でなくても運動指導・スポーツ指導における大事な大事なことが詰まっています。

ぼくもたまに読み返すたびに気づきがあり指導書のバイブル的な本です。

ちなみにコチラはスポーツ運動学をさらにさらに深く学びたい人向けです。

今のスポーツ科学やスポーツ指導理論の基礎となる考えをつくった東ドイツ出身のマイネル博士の著書。

まだ一部しか読めていないのでぼくも勉強中ですがスポーツ運動学を極めたい人は読んでみてもいいかもしれません。

ひとつでもあなたの指導を深める内容になっていたら嬉しいです。

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